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戦没者追悼式 「平和への誓い」です。
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本日、皆様とともにこの式典に参加するにあたり、若者を代表して、先の大戦で亡くなられた方々に、心から追悼の言葉を捧げます。 皆さんは、ふるさとを思い、家族の幸せを願いながら、その尊い命を捧げられました。
戦争が終わり、80年という大きな節目を迎えました。 今、私たちがこうして平和に暮らせているのは、戦争の苦しみの中から、人々が絶え間ない努力を続けてこられたおかげです。
しかし、戦争を直接知っている方は、年々少なくなっています。「戦争は、どれほど悲惨なものだったのか」「平和は、どれほど尊いものなのか」このことを、今度は私たち若い世代がしっかりと受け継ぎ、次の世代に伝えていかなければならない。その責任を強く感じています。
私は先日、大刀洗平和祈念館を訪れました。 そこに堂々と飾られていた零戦と震電に、私はまず目を奪われました。その戦闘機の周りには、大刀洗の歴史が展示されていました。見て回っていると、戦時中の若い兵士たちの写真が大きく飾られており、その隣にあった遺書に、私の足は止まりました。そこに書かれていたのは、「家族の幸せを願い、国の未来を信じて」命を落としていった、私たちとそう年齢の変わらない若者の、まっすぐな言葉でした。
その一つひとつを読むうちに、私は胸が締め付けられる思いでした。 そして同時に、今私たちが当たり前のように生きているこの平和が、どれほど尊く、かけがえのないものなのかを、改めて考えさせられました。
今、世界に目を向ければ、戦火に苦しむ人々がおり、緊張が高まっている地域もあります。あの遺書に触れた今、それらを「遠い国のこと」として見過ごすことは、もうできません。
私たちが今、すべきこと。それは、過去の過ちからしっかりと学び、私たち一人ひとりが、自分の頭で真剣に考えることだと思います。そして「戦争は絶対に繰り返してはいけない」と、強く、深く、心に刻むことです。
この平和な「今」を、二度と「戦前」にしてはならない。 それが、未来を生きる私たちの、一番大切な責任です。
亡くなられた方々の御霊が安らかでありますよう心からお祈り申し上げるとともに、皆さんが命をかけて守ろうとしたこの平和を、私たちは必ず未来へつないでいくことを、ここに誓います。
松藤 惇人
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